3月のアトリエ計画《個性を磨く》

お知らせ

 こんにちは、昨年の冬の初めに植えたチューリップの球根が芽を出し、開けた窓から時折白梅の花の香りが部屋を通って行きます。陽射しの中にも春を感じる様になってきましたね。

 2月のアトリエでは「乗り物に乗って旅に出よう」の仕上げに入りました。休会の方達と足並みを揃えるためにクレヨンや石磨きの制作も取り入れつつの制作でした。今月はいよいよ完成させていきます。最後の週には鑑賞の時間を作る予定ですのでお楽しみに。また、早く完成した人は地球環境世界児童画展のアイディアスケッチに入っていきます。

集団の中でこそ見えて来る個性

 4月から入学や進学、新しい環境でスタートを切る子逹がアトリエの中にも居ます。特に小学校に上がると集団生活の規模がグッと大きくなり環境が変わるでしょう。その中で我が子が馴染めるのかと言う不安と同時に、小学校という大きな集団の中で個性もろとも一律に整えられることに不安を感じている親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。でもきっと集団の中でこそ自分と他人との違いが見えて来るでしょう。自分にとって譲れない事が何か見えて来るでしょう。どうしたって苦手な事、誰にも負けたくない得意なことが見えてくるかも知れません。

一番大切なものを残していく為に

2月の制作の最後の週ではお楽しみ制作として「石磨き」をしました。篆刻用の高蝋石をサンドペーパーで磨き好きな形に削っていき、最後に目の細かいサンドペーパーとコンパウンド、トレーシングペーパーでつやつやに仕上げていきます。イニシャルや好きな絵を彫ってネックレスやキーホルダーの様にして持ち帰りました。初めは無骨な薄い立方体だった石が子ども達の手の中で様々に形を変えてツヤツヤに、または思いもよらない形に仕上げられていく様子を眺めながら色々なことを考えていました。この石磨きや彫刻は手を入れた場所が無くなっていく、そして一番残したいものが残り光っていく作業です。理想の形に近づけるために、全体を見て不要な部分を取り除いて大切な部分を残していく制作です。同じように丸くしたいと思って削っていっても、一人一人の見方や手の癖や元々の石の性質が合わさり、同じ形になる事はないのが面白いです。そして一つ一つが違うからこそ自分の磨き上げた石の形の特徴に気付く事もできるのです。

こだわりは個性

2月の制作で「ここがこだわりなんだよ!」という子ども達から上がった言葉が印象的でした。このこだわりもまた個性だなと思うのです。こだわりという言葉には「譲れない大切なものを守り抜いていく」という意味があります。この「こだわり」が何処からやって来るのかというと、これはその人の深い本能のようなところからやってくる、変えたくても変わることのない何かです。生まれ持った気質の様なものなのです。変えたくても変わらないものならその活かし方を自分で知って自信を持ってこだわっていって欲しいと思います。

もしも個性のネガティブ面を指摘された時、「うん、私ってそうなんだ。でもだからこんな事もできるよ。」とサラリと受け入れられる強さは、自分と他人との違いを自分の特徴として、その長所と短所を合わせて知っていることで育ってくるのではないかと思います。

他人の個性を受け入れる力も磨いていくこと

個性的な人ほど集団での関わりに苦手意識があったり、孤独を感じていることもあるでしょう。アトリエでは自分の個性を大切にすると同時に、他人の個性も大切にすることを伝えています。自分と他者の違いを知ることが個性を磨くことの本質なのではないかと考えています。

集団を苦手と感じる原因は他人と合わせなければならないと思う事他人を競争相手だと思う事から来るのではないでしょうか。いつも自分が何か間違ったことをしてしまわないか、負けてしまわないか緊張していたら疲れてしまうのは当然です。集団を楽しむためには、集団の中で自分らしくリラックスしていられることが必要です。他人は敵ではないし、かと言って自分自身でもない。違って当然で、そのことを面白いと思えるには自分らしさを自分で認めている自信と強さが必要です。その自分らしさを知る為に、時には他人とぶつかり合いながら個性を磨いて浮き彫りにしていく事が必要なのだと思います。他の人が居てこそ違いや自分らしさも見えてくる。違いや自分らしさを知る為に、子ども逹は個性をぶつけ合って磨きあっている途中なのだと思います。

みんなと同じようにではなく、みんなで上手くやっていく為にどうすれば良いのか考える

集団の中ではその秩序を守る為のルールがあるでしょう。ですから注意されたり、指摘されたり対立することもあるかも知れません。でもその時に「みんなと同じでなくてはいけない。相手の言う通りにしなければならない。」と思う必要はありません。自分が何か欠けていると思う必要もありません。「みんなで上手くやっていくためにはどうしたらいいか」と考えてみて欲しいです。それぞれ違う人間が集まって、自分の気持ちを大切にするのと同じ様に相手の思いも受け入れる努力をしてみる。納得して受け入れて、お互いに少し角が取れて、何か失ったように思う時も、それは大切なものを残すため必要の無いものを手放すための経験かもしれません。そうして個性がぶつかり合いながら決して変わらない大切なものだけが、残り、磨かれ、光ってくるのではないかと思います。

ぶつかり合う事、磨かれていくことを恐れないでいて欲しい

本当に大切な個性は自分がそれを認めている限り、誰かのせいで決して失うことはない物です。

子ども達一人一人に個性があるのは勿論、先生や親や他の大人達にも個性があり、こだわりが有ります。その長所と短所をお互いが理解し磨き合える環境が理想ですね。

 ドラえもんの主人公のび太君は、勉強が苦手だけど優しくて柔軟性が有ります。他のキャラクターを思い浮かべて見てください。怒りん坊で正義感の強いジャイアン、ずる賢いけど立ち回りの上手いスネ夫。出来杉君は何でもできて優しいけれど、みんなが出来杉君だったら物語が始まりません。それぞれのキャラクターの長所は勿論、短所も魅力に見えて来る。そんな見方ができたら良いなと思います。

この教室も新学期に向けて、新しいメンバーが加わりました。そして進学や進級を機に教室を卒業していくメンバーもいます。そしてまた来年度も一緒に制作できるメンバーも含めて、それぞれが個性を認め合って磨きあって、輝いていけることを願っています。

3月の予定

 

月曜クラス 7・14・21

火曜クラス 8・15・22

水曜クラス 9・16・23

4月の予定 

月(にじ,ふね)11・18・25

火(くも,うみ)12・19・26

水(なみ)13・20・27