美大受験体験記3 総合型選抜や学校推薦型選抜の面接対策[面接で聞かれる事は?]

なかなか続きの記事が書けずにいましたが、大学受験対策も本番に差し掛かってくる季節になりました。昨年のことを振り返って、気になっていた美大受験の面接対策について書こうと思います。また美大受験の一般試験以外の実技テスト対策についても書いていきますのでこれから試験を控えている方は是非参考にして見てください。

美大受験には面接があるの?

美大の入試には、一般入試、総合型選抜、学校推薦型選抜などいくつかの受験方法があります。総合型選抜や学校推薦型選抜では多くの場合、面接(人物評価)があります。一般試験でも科によっては取り入れている場合もあるようです。この面接の内容は以下で詳しく触れますが、一般的に[面接試験]と聞いてイメージする内容とは違う事が多いです。

面接で合否が決まることはあるの?

面接試験の配点などは大学側から明かされていない事が殆どです。ですので、今まで受験生をみてきた経験と自身の体験や他の方の体験談を踏まえての推測ですが面接自体が合否に大きく影響することは稀だと思います。つまり面接でうまくいかなかったからといってそのせいで不合格になることはないし、面接ですごくうまくいったからといってそれだけで合格できるということも当然ですが無いと思います。

面接で緊張してうまく話せなかった、もっと良い事が言えたはずなのに、面接が終わって不安になる事もあるでしょう。でも大抵の受験生が同じ気持ちでいるはずです。黙り込んで一言も話せないとか、よほど常識に外れた事をしなければマイナスになる事はないと考えていいと思います。リラックスして準備してください。

反対にうまくいけばプラスになることはもちろんあり得ます。実技や調査書で少し不安な点があったとしたら、面接でカバーできるということもあるかもしれません。自分の魅力を伝えてプラスになる点をアピールできるのが面接だと考えて挑んでください。

美大面接で一番大切なこと

それはあなたが面接官の前に[作り手として立つこと]だと思います。つまり例えどんな質問が来ても表現者として答える事です。面接官は大学のあなたが希望する科の教授陣です。つまりは面接官の先生方も様々な立場でものを作り表現するアーティストです。あなたが真面目で誠実な生徒かどうかを判断したい訳ではありません。まだ高校生で未熟ではありながらも、どんなことに興味を持ってどんな理想を思い描いて、これからどんな事ができるようになりたいと思ってこの大学に来たいと思っているのかが知りたいのです。今大きな実績やできる事がなくても、どんなことに憧れるのかどんな事が気になる人間なのか自由に話してきて大丈夫です。

逆に実績を積み重ねてきた人ならば、受賞歴やその努力についてだけ話すよりも あなたが作るものに対する思いやこれからやってみたい事に重点を置いて話すように心がけるといいと思います。

これからどんなふうに成長していく人物なのか期待させる事を目標にしてみましょう。

そんな事を言われても、まだ自分の作り手としての考えも明確でないという人も沢山いると思います。まずはあなたが好きなもの、なんとなくいいなと思うものについて改めて掘り下げて考えてみてください。絶対に譲れないもの、他の人より拘る事、いままで人よりも触れてきた分野、そんなことにあなたの魅力があるのではないかと思います。

面接で聞かれない質問

「学校で面接の練習をしてきました!」と話してくれる高校生にどんな練習だったか聞いてみると、

・自分の長所と短所。・高校生活で頑張った事。・志望理由書に書いた事を暗記しました。

そんな話をしてくれるのですが、このような質問は美大の面接では聞かれないと思っていいと思います。もちろん断言はできませんし、志望理由書などに書いた事は頭に入れておいた方がいいと思います。志望理由については初めに聞かれる事も多いので、しっかりと答えられるようにしておきましょう。しかし面接官の先生が知りたい事は上記に書いたような事です。5〜15分ほどしかない貴重な面接の時間を使って既に書いてある事や一般的すぎる事は聞くでしょうか。

もし学校の先生がこのような対策をしてくれる場合、それは場馴れの為の練習だと思って取り組んでみるといいと思います。その上で自分が作る作品やどのような制作をしていきたいのかについて現時点での自分の思いを明確にしていく事が大切です。

面接で聞かれる質問

では結局、美術大学の面接ではどんな事が聞かれるのでしょうか。

それはあなたの作り手としてのスタンスが垣間見えるような、どんな風にも答えられる質問が多いように思います。質問は本当に様々なので、いくつかの例をあげてみようと思います。

1,実技課題や提出課題についての質問

 作品についての補足を求められる事もあります。なにか足りなかったという事ではなく、あなたの作品に興味を持って質問してくれていると捉えて、あなたなりの考えを話しましょう。過去には提出課題を額にいれて送付したら「どうしてあの額にあなたの絵を入れたのですか?」と聞かれた例もありました。明確な答えがすぐに見つからなくても「なんとなく。」などと答えてしまうのはNGです。作者としての考えを答えましょう。

2,「あなたにとって1番大切なものを教えてください。」

 これは過去の合格者から教えてもらった実際の私立美大の質問です。彼女は「自分の考えを持つということです。」とその理由について話したそうです。他には本当に大切にしているものがあればそれについて説くと語ってもいいと思います。また好きな動物や食べ物についてあなたが魅力を感じている点を独自の視点で語ってもいいと思います。私だったら「お風呂です。」と答えるかもしれません。お風呂に入ると気持ちがリセットされて制作のアイディアが湧いてくるからです。1日の終わりやうまくいかない時も1度リセットして新しいものが生み出せそうな気がしてくる。それが私にとってお風呂に入る事なのです。こんな感じで自分の制作や作り手としてのフィールドに巻き込んで答える事が出来たら面白いのではないかと思います。

3,「最近あった1番悲しかったことと、嬉しかったことについて話してください。」

 これはもうかなり前ですが私の映像科受験の際に面接で聞かれた質問です。この時はグループ面接で1人目の人が「今年大好きだった祖母が亡くなったことです。」と答えました。2人目の人が「飼っていたペットが亡くなって本当に悲しかったです。」と答えました。

私ははじめ何も思い付かなかったのですが、ふとその日の朝、電車から見た空がとてもきれいだった事を思い出しました。そこで「今日ここにくる途中電車から見た空がとても綺麗で嬉しくなりました。でもいつもは持っているカメラを受験なので置いてきていたので少し悲しかったです。」と答えました。前の2人に対してこんな答えで大丈夫かなと思ったのですが思いがけなく教授の1人が「君ね、こんな日にこそカメラは持っていなくちゃ、それはチャンスを逃したね。」と笑顔で話しかけてくれました。私は「はい。そう思います。」と答えたような気がします。その4年後卒業制作の担当をお願いしたのはその時の教授でした。

その他、志願理由書やポートフォリオに書いた事を掘り下げる質問だったり「あなたの得意な事を教えてください。」という質問などいろんなパターンを聞きました。面接でこんなこと話して大丈夫かなと思える事もあなたのものの見方や捉え方、作る姿勢につながる事であれば是非伝えてきてほしいなと思います。

最後に

さて、美大の面接についてすこしイメージできたでしょうか。堅苦しい質問よりも、あなたのものの見方や捉え方を引き出してくれる質問が多いように思います。会話を楽しむ気持ちで挑戦してきてくださいね。