《人を描くのは難しい?児童心理の観点から》5月のアトリエ計画

お知らせ

5月のアトリエ計画 ピエロの行進作品返却について

こんにちは、まだまだコロナの心配は続いている昨今ですがゴールデンウィークは楽しく過ごせたでしょうか。遠出はできなくても、新学期の疲れを癒すリフレッシュになっていたらいいなと思います。

さて、くも・うみ・なみクラスでは2月の終わり頃から取り組んできた作品「ピエロの行進」をお家へ持ち帰る事ができました。今回はサーカスの舞台を意識した背景にアクリル絵具をローラーで塗ったり、とってもカラフルな作品が完成しました。身体の動きについて学び、大きなテントの中で行われるサーカスの特別な世界観を楽しんだ作品になっています。色の組み合わせについても学ぶことが多かったテーマでした。

「楽しいね、綺麗だね、面白いね、これはなに?どうやったの?」簡単な言葉でも十分ですので、ぜひ感じたことを子ども達に伝えてあげてください。色々な工夫やストーリーを沢山語ってくれるのではないかと思います。

《人を描くのは難しい?!苦手意識を持つのはふつうの事です。》

今回ピエロを描いてみようと思った理由は、人物を描く事を楽しんで欲しいという思いからでした。「人を描くの得意だよ!」という子もいるとは思いますが、「上手く描けないから人は描きたくない。」そう思う子も少なからずいるのではないでしょうか。

小さな頃は躊躇なく楽しんで人物を描いていた子も、自我が育ってきて客観的に自分と他人の違いを区別できるようになってくる頃(この頃小学校の理科ではちょうど身体の作りについて学びます。)「人を描くのは難しい。」と感じる子が増えてくるように思います。

子ども達と何年も絵を描いてきて感じている事は、この自意識と客観的な視点が上手いとか下手とかそういった捉え方に関係しているのかなと感じています。それまで《人=人》だったものが《人=私・あなた》になってくるのです。そうなるとなんだか「失敗できない!」そんな気がしてくるのです。

特に人間は毎日見ているものですから、ちょっと鼻がずれただけですごく違和感を感じます。《人=私》と考える時、なんだかあまり気に入っていない表現を「まあいいか。」と受け入れる事は難しいものです。普段人物イラストを描くのが好きな子でも、自分や両親を描くとなると少し戸惑いが出てきます。「これ私とママ!」そういってのびのび描いていた幼い頃のようにはなかなかいかないのです。

そういった変化は美術の観点でいっても、ものの捉え方が育っていきたと言える良い事ですが、それで人物を描く事に苦手意識を持ってしまうのはもったいないなと思います。そんな時は人物の造形的な面白さや美しさに目を向けていくことが重要なポイントとなるでしょう。自分とは少し切り離して、格好良さや可愛さは一旦置いておいて、体の形やポーズの面白さを感じる視点が必要です。

楽しく人物を描くためのエクササイズ

まずは、顔を描かずに人の形を色々描いてみたらいいです。クレヨン1色だけでキースヘリングの人物のような絵を沢山描いてみる。スポーツやダンスをしている人物の写真などを見て自分とは違った人物の動きの特徴や面白さを気軽に描いて純粋に楽しむうちに、だんだんと自分自身も客観的に見る事ができるようになって来ます。こ自分自身を客観的に見る事ができる為の1ステップが必要なのです。

手や足の指の形や皺をクローズアップして山や谷を見るような気持ちで描いてみるのも面白いかもしれません。そんな事を繰り返すうちに、いままでとは違った人物描写を安心して楽しむ事が出来るようになってくるはずです。それは、その子にとって今までより一歩踏み込んだ新しい表現になっているのです。

描く事が物事の捉え方を育んでくれる

絵を描く事は時々こういった成長の段階を進んでいく子ども達にとって一助となる事があります。油絵クラスの子ども達と雑談をしていると時々客観的な視点に長けている事に感心させられる事があります。

静物画などを描く時は、頭の中で分かっていると思っている事を1度頭の隅に押しやって、何度も何度も良く見る事で実際そこにあるものの見え方と、頭で思い込んでいた事との違いを受け入れていく作業が必要です。主観を抑えて全体像を見る力が必要なのです。そういったものの見方と、全体的に物事を捉えて考える力に何か繋がりを感じる事があるのです。
そんな色々な思いから、普段の自分からかけ離れた動きの楽しい人物=ピエロを今回描く事になったのでした。はじめは「ピエロ難しそうー。」といっていた子も、私の描いた可笑しなポーズのピエロを見て笑い転げたりしながらいつの間にか楽しんで充実した制作ができていたように思います。余談ですが上記の事を踏まえてパブロ・ピカソの人物画を観てみると改めてピカソの凄さに気付かされます。有名な「泣く女」のモデルはピカソの恋人です。良いところも欠点も含めて、それを取り繕うのではなく、その人間味愛するような表現の深さを感じます。

5月のテーマ

「ミツバチの1枚画」コンテスト
月曜クラス 10・17・24
火曜クラス 11・18・25
水曜クラス 12・19・26

6月の予定

月(にじ,ふね)7・14・21

火(くも,うみ)8・15・22

水(なみ)9・16・23