こんにちは。皆さん春休みは楽しく過ごすことができたでしょうか。今年の春休みはコロナの休校との関係で普段より短めだった学校もあった様ですが、各々ゆっくりと過ごすことができていたらいいなと思います。
さて、3月の最終日にはスケッチブックを持ち帰りました。お家の方と今までの作品を見ることは出来たでしょうか。持ち帰ったスケッチブックは4月中に教室に持参して頂きますようお願い致します。3月は冬の間長い時間をかけて制作した「乗り物に乗って旅に出よう」が完成しました。
この作品は、工作で乗り物の試作を造ったり、ローラーとステンシルを利用して背景を描いたり、乗り物を切り紙で制作してその室内まで作り込んだりと沢山の行程を経て完成されたものです。初めはテーマを「旅」として制作を開始しましたが、なかには宇宙や海中まで旅に出たり、大好きな戦いの世界を描いたり、子ども逹の表現は実に様々でした。海や宇宙で息はできるの?戦いで怪我したりしたらどうしよう?そんな心配は無用です。自分の興味ある世界の中で遊ぶように描ける事が最も大切だと思います。

いい絵ってどんな絵だろう
最後の鑑賞会の日には、1つ1つの作品を見ていきながら「いい絵ってどんな絵だろう?」という話を子ども逹と話しました。私が大学生の頃、作品の講評会で「いい絵とは展覧会で、見る人の足を止める事が出来るかどうかだよ。」そんな話を教授がしてくれたのを覚えています。それはつまり「ずっと見ていたくなるような魅力がある絵」のことでしょう。でもどうやったらそんな絵になるのでしょう。上手な絵であっても見る人が通り過ぎてしまう絵もあります。見る人の足を止めるには、見る人の心を打つものがないとならないでしょう。それは作る人がその作品の中で遊ぶように楽しみながら描いた絵ではないかと思います。幼児であれば色や形に「綺麗だな、楽しいな」と陶酔するように手を動かしたり、小学生になると人物や動植物が出てきてそこに自分自身を投影して冒険するような気持ちで描くことかも知れません。またもっと上の年齢になってデッサンや静物画や抽象画などの表現になっても「ここの表現は上手くいったぞ」「この色合い、なんて美しいんだろう。」と絵画の世界を探究するように描くことかも知れません。そういった作品にのせた感情が不思議と見る人を惹きつける魅力になるのです。その魅力は決して上手かそうでないかでは図れないものなのです。
人の心を打つ表現とは
一生懸命に描いたらその気持ちは見る人に必ず伝わりますよというと、なんだか薄っぺらく感じてしまうかも知れませんが、絵を見ていて作者の感情が伝わってくるような体験をした事はないでしょうか。絵の具の軌跡や色の組み合わせを通して思いを伝えることができる。それが絵画の面白い所なのだと思います。上手く描けていたのに途中で失敗してしまい、気持ちも絵の具も揉みくちゃになりながらなんとか仕上げた絵。失敗した箇所があるからってその絵自体がダメだなんて事はありません。その紆余曲折も含めて魅力になるのです。大人の描く絵画ならば、線の勢いや色の重ね方を意識的に工夫して作品作りをしていくでしょう。しかし児童画の場合、絵を描いていく過程の気持ちの揺れ動きが、線の勢いや選ぶ色彩に影響して、無意識に自然と絵の中に現れることが絵の深みになり見る人の心に響く表現となるのです。
キレイに描けた絵と苦労して描いた絵
アトリエで秋の紅葉した落ち葉を水彩絵具で描いていたある時の事です。ある男の子が紙の表と裏に落ち葉を描いてきました。表側の絵は少し色が滲んでいるけれど時間をかけて色にこだわった大作です。裏は形は綺麗に描けているけれどサラッと急いで描いた作品です。本人は裏の方が完成品!表は色が汚くなったから失敗!!と言っていましたが表の大作にも未練がありそうです。そこで前述のような「一生懸命描いた作品は失敗した所があっても、それは魅力に変わるし一生懸命描いた気持ちは必ず伝わるんだよ。」そう伝えて、みましたがなかなか納得は行かない様子です。そこで近くにいた2人の子にどちらの絵が好きか意見を聞いてみました。すると「表の方がいいよ!一生懸命描いてる!」「どこが失敗なのかわからない。色がきれいだよ。」と2人は答えてくれました。するとその男の子は「ホントに!?気持ちが伝わるの?!」ととっても驚くので、顔を見てみると少し泣き出しそうな顔をしていました。きっと一生懸命描いていたのに、少し滲んでしまって悔しい思いや、それが他の人にどう見えるのか心配になったり、いろんな気持ちを抱えていたんだなと思いました。一生懸命描いたから良い絵なんて慰めだと思っていたかも知れません。でも本当に気持ちは伝わるんだ。その想いが彼の中で大きく響いた体験だったのでは無いかと思います。そうなんです。描いた時の気持ちは伝わるんです。失敗して直して手垢に塗れてなんとか完成した絵もその懸命さが魅力になるのです。
失敗しない方法より失敗しても大丈夫だった体験を
きっとこれからの1年も上手くいったり、いかなかったりいろんな事を子どもたちはこのアトリエで乗り越えていくのだと思います。でもその事を乗り越えていく事を一緒に楽しんでいきたいと思っています。失敗しない方法を学ぶのではなく、失敗しても大丈夫という挑戦できる気持ちが大事です。そのために失敗しても大丈夫だった体験を沢山して欲しいなと思っています。焦らずじっくり、思うままに心を動かしていこうと思います。

4月の予定
テーマ「地球にやさしい生活」絵 絵画展応募作品
月曜クラス 11・18・25
火曜クラス 12・19・26
水曜クラス 13・20・27
5月の予定
月曜クラス(にじ,ふね)9・16・23
火曜クラス(くも,うみ)10・17・24
水曜クラス(なみ)11・18・25


