こんにちは、アトリエsolaでは毎年[夏アトリエ]という名前のイベントでで小学生から中学生のお子さんたちと3日間2時間ずつ計6時間かけて夏休みの絵画課題を一緒に仕上げています。
この夏休みの絵の宿題をお家で描くときに簡単に描き始められて、仕上げられるための取り組み方を紹介します。
特に描き始める前のアイディアを決定するまで、と仕上げの段階でどう手を入れていったらいいか、の2点に悩むことが多いのではないかと思います。
この記事は「できればオリジナルの作品を自分の力で描いてみたい。」「迷っている時間を減らして満足いく作品を描きたい。」と考えるお子さん。「子供のやる気を削がずにお子さんが自ら描いてみたくなるアドバイスをしたい。」と思うお家の方にきっと役立つのでは無いかと思います。
簡単に描けるテクニックや何かを参考に真似をすれば簡単に絵が仕上がるといったような解決方法ではありませんが、早く終わらせたい思いでインターネットの作品を真似して描いてしまうこともできるけれど、やはりそれは後味の悪いもので、そういった経験がこの先自由に自信を持って描く事を難しくしてしまう事もあります。
そこで何年も毎年こどもたちと夏休みの絵の宿題に取り組む際に、毎年改良しながら使用してきた「アイディアシート」を公開します。
絵は描き出すまでが時間がかかりますよね。特に宿題の絵画やポスターとなると、早く終わらせたいのにいつまでたっても描き始められないことも多いと思います。
このアイデアシートを使って一気に取り掛かってしまいましょう!アイデアシートは全部埋める必要はありません。絵を描き始めるきっかけになれば充分です。
言葉で書き出してみることでイメージを言葉で共有できることでお家の方もアドバイスしやすくなります。描き始めてしまえばきっと楽しいです。ぜひこのアイディアシートを活用してみてください。ポスター課題でも夏の思い出や自由画にも使えるアイディアシートです。
アイディアシートは文末からダウンロードもできる様にしました。必要な方は自由にご活用ください。
低学年用アイディアシート
8月のアトリエ アイディアシート1・2年生用 アトリエsola
・ えらんだかだい、またはポスターの名前 (れい)げすいどうポスター/こうつうあんぜんポスター
・なにをかきたい?(れい)わたし、~ちゃん、うみ、いるか/くるま、しんごう、花
・えでつたえたいことはなんですか?(れい)~がたのしかったこと/~におどろいたこと/~がすごいこと
えのしたがきをかんたんにかいてみよう!たてがきの人はかみをまわす。うらもつかっていいよ!
・この絵のきにいっているところ・がようしにかく時にくふうしたいこと
◉がようしにかくときのポイント!◉
⭐ したがきは大きく、うすくかく。(クレヨン・色えんぴつのきいろ)
⭐ 『1クレヨン→2えのぐ→3クレヨン、色えんぴつでしあげ』のじゅんばん ☆かおをクレヨンでかくときははだの色をさきにぬる。 ⭐クレヨンの色をかさねてまぜる。えのぐは色をつくって水でうすめる。
⭐えのぐはとおく、空やうしろのせかいからぬる(顔ははだの色からぬる。)
高学年用アイディアシート
夏アトリエ アイディアシート 3~6年生用 アトリエsola
・課題からイメージを自由に広げて見よう。出来るだけたくさん書き出してみよう。
[マインドマップを書く欄]
・紙をうら返して簡単に絵の下描きをしてみよう。失敗しても大丈夫!!
裏に描いたら↓の続きを描こう!
・下書きの中で気に入っているところは?
・下書きの中でむずかしかったところ、アドバイスが欲しいところは?
・この絵で見た人に感じてほしいこと。伝えたいことは?
・この絵の主人公または1番目立たせたいところは?
・クレヨン.絵の具どっちからはじめる?( クレヨン・ 絵の具 )
=====ポイント==============================
⭐︎画用紙にかく下書きは大きく、うすくかく。(クレヨン黄色、いろえんぴつの黄色オレンジ,)
⭐︎『①クレヨン→②えのぐ→③クレヨン、色えんぴつでしあげ』のじゅんばんがおすすめ。
⭐︎クレヨンの色をかさねてまぜる。えのぐは色をつくって水でうすめる。
⭐︎絵の具はと背景(空、うしろ)からぬるとやりやすい。顔ははだの色からぬる。
☆絵の具はかわいてから重ねないとにじみます!確認してから進めよう。
アイディアシートを書く前に
まずお家の方と会話をしながらアイディアをふくらませます。
夏の思い出や自由画を描く場合
描きたいことのイメージを会話を通して掘り下げます。写真があれば見返したり、描きたい動物や草花があれば資料を用意して詳しく描けるようにしておきます。でも写真を見て上手く描くことよりも、その時の気持ちや感動したことを会話を通して膨らませることの方を大切にしてください。
ポスターに取り組む場合
インターネットで過去の作品を見て雰囲気を掴むことは構想を練るきかっけになりますが、過去の作品に捉われすぎないように軽く目を通す程度にしておくといいと思います。どちらかというとポスターを通して伝えたいことについて会話を広げていくといいです。
火災ポスターであれば火災の原因や怖さ消防士の仕事について調べてみます。
下水道ポスターであれば水道から綺麗な水が出ることのありがたさや、使った水がどこへいくのか。
人権ポスターであれば友達との間で嬉しかったことや悲しい思いをしたこと、どうしたら良かったかなどを話してみるといいと思います。
アイディアシートの書き方
アイデアシートを描き始める前に、すでに描きたい絵が浮かんできていたら、いきなり下書き(ラフスケッチ)から入ってしまって構いません。まだアイディアが浮かんできていなければ、アイディアシートに沿って描きたいものや伝えたい事について1度言葉で書き出してみます。
小学3年生以上ですと学校でマインドマップを書いてみた経験がある子が多いです。アイディアシートのマインドマップを使ってイメージをさらに広げていきます。実際に描く絵とは関係ないと思える事もどんどん書き出していくと絵を描く事に気持ちが向いていくはずです。楽しんでなんでも書き出してみましょう。
ラフスケッチ(下書き)をかく
ここでいう下書きは、画用紙に描くものではなくてラフスケッチのことです。コピー用紙やノート、いらないプリントの裏などにイメージを1度描き出してみましょう。ラフスケッチは鉛筆で構いません。
・ここで大切なのは、構図を決めるということです。
早く画用紙に描きたいと思っても4つ切りの画用紙は思いのほか大きいので1度B5かA4程度の紙で描いてみることをお勧めします。
詳しく描く必要はありません画用紙のどこに何を描くのかなんとなく決めることができたら充分です。描きたい動物や人物のポーズなど描くのが難しそうなものがあれば1度練習してみるといいです。
また何パターンか構図が浮かんでいる場合は1度ラフスケッチしてみると、どちらがいいか決めることができます。お家の方の意見を聞いてみてもいいです。
高学年くらいの年齢になるとラフに(簡単に)スケッチするという感覚がわかってくるのですが、低学年くらいの年齢だと省略して簡単に描くということは難しいので、本番のようにしっかりと描こうとすることが多いです。しっかり描いて構わないのですが、最後まで頑張ってしまうとそこからもう一度画用紙に描く頃には満足して疲れてしまっていることもあります。そんな場合は早めにお家の方が声をかけて「わあ、もう本番の画用紙に描けそうだね!」と画用紙に描く事に誘ってあげてください。
いよいよ画用紙に描く
ここまで来たら本人に任せて見守りましょう。
注意することは4つ
- 応募の詳細をしっかり確認する。(画用紙のサイズ・縦書き横書き・使っていい画材)
- 画用紙は大きいので下書きより大きく描く。文字を入れる場合は目安をつける。
- 鉛筆の下書きは絵の具やクレヨンで黒く伸びてしまうことがあるので、黄色やオレンジの色鉛筆やクレヨンで下書きする。(絵の具だけで仕上げる場合、薄く鉛筆で下書きできる場合は鉛筆も可。)
- 目鼻口は肌の色を塗ってから。先に描くと黒が滲んだりのびたりしやすいです。
応募の詳細の確認をしてからスタートしましょう。人物の顔は肌の色から塗ると上手くいきますがケースバイケースです。もしクレヨンで目鼻口を先に描いてしまったら絵の具で肌を塗ると弾いてくれるので上手くと思います。
描く手がノってきたらお家の方は離れて、口出しせずに見守ってあげてください。画用紙の下書きが完成したら休憩します。疲れているときには無理して進めずに翌日続きに取り掛かりましょう。
仕上げをする
一度完成と思えるところまで描き上げたら一晩あけたり休憩して、絵の具を乾かして客観的にもう1度できた絵を見てみます。
そしてアイディアシートを見ながら最後の仕上げをします。
- 伝えたいことは伝わるかな。
- 描きたかったものは描けたかな
- 絵の気に入っているところ、目立たせたいところは上手くいっているかな。
アイディアシートと一緒に見返してみると何か手を加えたいことが出てくるかもしれません。
仕上げのポイント
・絵の具を使った後、クレヨンで描いた場所が埋もれて見えづらくなっている場合はもう一度クレヨンで色を重ねる。
・クレヨンや色鉛筆の色を重ねて混ぜて深みを出すのもいいと思います。低学年であれば髪の毛の色や草花、洋服の色などを混色で理想の色に近づけてみましょう。
高学年であればクレヨンや絵の具で色を重ねるときに、光の向きや影ができているところを工夫すると立体感が出てきます。
・文字を入れた絵なら色鉛筆や油性ペンなどで縁取りを入れてはっきりとさせてもいいかもしれません。
仕上げの例(小学2年生の下水道ポスター)


左が仕上げ前・右が仕上げ後です。
・気に入っていたお魚に図鑑を見てヒレを描き加えました。
・右の方の絵の具が飛んでしまったのを気にしていたので、水の飛沫にしてしまえばどうかな?と飛沫を描き加えました。
・クレヨンで描いた灰色の部分にさらに絵の具を重ねました。色調が落ち着いて画面に調和しました。
・1番重要な下水道の水流と文字にクレヨンを重ねて絵の見所を作りました。
小さな工夫ですがいい作品にしたいという作者の気配りが伝わってきます。仕上げ前も十分完成度の高い作品ですがさらに目を引く仕上がりになりました!
さいごに
絵は自由に好きなように描いていいものです。本人が完成といったらそこが完成です。仕上げに少し誘ってみても気乗りしないようなら「よし!じゃあ完成!!がんばったね。」と切り上げます。
今回紹介した方法も1つの方法であって正解ではありません。自分でどんどん描けるなら本人に任せてあげてください。
もしも、なかなか描き出せずに困っている。仕上げって何をしたらいいのか分からないという場合に参考にしていただけたら嬉しいです。
大人がここをもっとこうしたら、ああしたら。というよりもアイデアシートを見ながら本人が気づいてもう少し手を入れてみようかなと思えたり、こんな絵にしようかなとアイディアを膨らませるためにこのアイディアシートを使って貰えたら嬉しいです。
それから最後に1つだけ。
普段お子さんが自由に描く絵に、求められてもいないのにアドバイスしたり、大人の手を加えたりすることはしないはずです。しかし、宿題となるとなぜだかそうもいかなくなってしまう所があるようです。本人が描きたくないのに宿題だからという気持ちも分かるのです。でもできるなら、大人の協力はアドバイスを提案することまでにしてほしいなと思います。
一緒に考えて一緒に楽しみながら完成を見届けるのは素敵な夏の思い出になると思います。低学年の絵の具の扱いを手助けするのはいいですが、手は出来るだけ加えないでほしいと思うのです。
大人が描いてしまうと「自分は絵が描けない、下手なんだ。」そんなふうに思ってしまう子がいるのです。そうすると、そのあと図工の時間のたびにそう思い起こすのです。
もしも少しお手伝いする時は「ここのところだけ、少し手伝ってもいい?」と必ず聞いてあげてください。
そして、その後はどんな仕上がりでもそのままの表現を誉めて認めてあげてください。それが見栄えが良い完成品を仕上げて誰かに誉められるよりも、ずっと本人の自信になることだと思います。













夏アトリエで製作した作品の一部です。写真が撮りきれなかったいい作品が他にも沢山仕上がりました。


