こんにちは、先日の教室で「今日雪が降ったよ!」と教えてくれた人たちがいました。そうと思えば春のような日があったりして、今年はいつもより早く梅の花がほころび始めたのを見つけました。昨年末の影絵会では沢山の保護者の方々が足を運んで下さり、また温かく見守ってくださり本当にありがとうございました。4年ぶりの影絵会でしたが4年前に参加した人は今でも以前の影絵会のことをよく覚えていて話してくれます。クリスマス目前の特別な1日の事が今回も参加した人たちの記憶に残ってくれたら嬉しいなと思っています。
さて、年が明けてからは幼児くもクラスから小学生うみ・なみ・もりの4つのクラスでは「自画像」制作に取り組んでいます。油絵ふねクラスでも提案はしたのですが年頃メンバーの「自画像だけは勘弁してほしい。」という強っての希望でもう少し時期を窺うことにしました。
小学生クラスでも自画像と聞いて「いやだなぁ。」という人たちは思いの外いました。今回は子ども達が自画像を描く事について書いてみようと思います。
自画像を描く意味
まず自画像制作はとても記憶に残る制作です。私自身「嫌だなあ。うまく描けるかなあ。」と悩みながら学生時代に描いてきた自画像ですが、どの時期の制作もその時の自分の気持ちと共に作品を今でも鮮明に振り返る事ができます。嫌な部分も含めてその時の自分に重ねて懐かしく思い起こす制作です。写真とは違った過去の自分を自分の目で見つめた視点で残す事ができるのが自画像の魅力です。描いておくときっといつかその時の感情と共に思い返す時がくるでしょう。
過去の画家達が自画像を多く残しているのは、率直に言えば1番身近な画題だからです。モデルをや雇わなくても、鏡さえあればいつでもどこでも遠慮なく思う存分じっくり観察して描く事ができるのが自分の顔です。本来それくらいの気軽さで描けばいいのです。素直にそのまま描いていけば自然とその人らしさが出でくるものです。まずは感情抜きに静物を見つめるように描けたらいいなと思います。
中学校の美術の時間では3年生頃に今でも自画像の制作に取り組む学校が多いようです。これは思春期にある子ども達が自分の姿に対峙することで、自分というものを客観視して外側からじっくりと眺めてみる。そうする中で絵を描くという愛着のある行為から、「なかなか自分の姿も悪くないぞ。」という自分の魅力や特徴を受け入れていくことと、自己成長に大きな意味があるからだと思います。
自画像を嫌がる年齢
自画像を嫌がる子ども達の年齢を見てみると10歳頃小学校高学年くらい、つまりは思春期に差し掛かる年齢から特に自画像に抵抗感を持つ子が多くなるように思います。これはちょうど自分を客観視できるようになってきた年齢でもあります。自分と自分の外側の世界を区別して捉えられるようになり、こう見せたい。もっとあんなふうだったらいいのにという理想も見え隠れする年齢です。最近では写真を撮る機会が増えたことやコロナ禍でのマスクの着用経験から少し低年齢化しているような気もします。
実はこの10歳ぐらいの年齢からの自画像の表現はグッと魅力的になってきます。抵抗感が出てくるより前の年齢では髪型や服装で変化をつけながら人物の描き分けをしながら描く事を楽しみます。人を描く事を純粋に楽しめる時期であり、どんどん自由に描いていって欲しい時期です。しかしこの時期に描く人物の顔は別の人物であっても大きな違いはなく、似ている事が多いです。
そして、自分を客観視できる年齢に入ってくると、顔の個性や体つきまで人物表現に変化をつける事ができるようになってきます。だからこそ自分の顔の個性を捉えて描く事を難しいと感じて抵抗感がでてくるのですが、それは表現がレベルアップしている証拠でもあるように思います。じっくりと見る力が備わってきたという事です。
自画像が嫌な理由
嫌な理由を聞いてみると「うまく描けないから。」「変になったら嫌だから。」「顔は難しいから。」などの答えが返ってきます。この答えには共感できる人が多いのではないでしょうか。これを別の側面から考えてみると、「うまく描きたい。」「1番身近に目にしているものだから、少しの違和感にも気づきやすい。」「正解への理想が高い。」のが自画像といえるのではないでしょうか。
つまり本来は最も失敗したくない絵で、気に入るように描けたらとっても嬉しいものが自画像なのではないでしょうか。
自分自身を表すものだからこそ納得のいく絵にしたいし、植物であったら葉が1枚増えたり少し傾いていても気にならないものですが、顔となるとそうはいきません、目や口の傾きは表情という意味を持つし、パーツが1つ2つ増えたら大問題となってしまうのです。このことを直感的に子ども達はよく理解しているのだなと思います。そして自分自身を表すのもだからこそ、誰かに変だなんて言われたらすごく嫌なのが自画像でもあります。
できるなら楽しんで描いてもらいたい自画像です。まず[うまく描く]=[可愛く、格好良く、上手に描く]ということから少し離れて考えられたらと思いました。
自画像を楽しく描くために
この自画像への理想の高さや、繊細な感情を取り払うために、幼児くもクラスの2月の制作では福笑いのような面白い顔を作って表情で思い切り遊んでみる制作を考えています。変な顔を思い切り楽しんで笑い合えたら安心して制作できるかなと考えています。
小学生クラスでは、どう見えるか、見せたいかではなく内側から自分を見つめる目で自分の理想を表現して欲しいという思いでイメージワークをとりいれました。小学生では「ああ幸せ。」と思う瞬間を思い浮かべて自分のいる理想の場面を絵にしていっています。中心線を基準にした人物の捉え方や、他にも過去の画家の様々な切り口で描かれた自画像を鑑賞しながら自画像への正解の幅を広げて、それぞれの自画像を深めていけたらと思っています。画家の描いた、色々な顔をみていると上手い下手でなくその人物が持つ魅力が伝わってきます。そのことが伝わったら自分らしい自画像を描いてみたくなるかなと思っています。
2月の予定
月曜クラス 5・12・19
火曜クラス 6・13・20
水曜クラス 7・14・21
3月の予定
月曜クラス4・11・18
火曜クラス5・12・19
水曜クラス6・13・20


