こんにちは、数日前から金木犀の花が一斉に咲き出して外には秋の香りが漂っています。今年は校外学習や遠足、運動会など通常のイベントも戻ってきた学校も多いようで、子ども達からも行事を楽しみにしている様子が伝わってきます。行楽の秋をぜひ楽しんできてください。
9月からのアトリエでは造形を中心に制作しています。10月以降も暫くカタチについての学びを続けていきたいなと思っています。9・10月は小学生クラスでは柔らかいバルサ材という木材を削って「鳥」を造っています。この試みは10年以上続けてきたアトリエの活動の中でも材質も作り方も初めてのものなので毎週子ども達が帰った後に試行錯誤しながら次週の展開を考えています。当初は全員が同じ鳥型から立体を削り出していく方向性で考えていましたが、粘土で試作してみた子ども達の鳥のカタチが多種多様でとても素敵だったので、粘土の試作を基に一人一人がオリジナルの型を作って木を切り出すことにしました。その工程や粘土作品の記録もホームページに掲載していますのでよかったら覗いて見てください。今回は9月の小学生クラスの制作工程について紹介します。
1週目の制作
1週目は粘土で人型を造りました。自分の体をよく感じながら立体で捉えていきます。土粘土は体温や手の乾燥具合、力加減や引き伸ばす速さで様々な反応を見せてくれます。ひび割れてきたり、水をつけ過ぎてぐにゃぐにゃになってしまったり、ゆっくり触っているうちにしっとりとまとまってきたりします。みんな慣れない粘土に悪戦苦闘しながらも少しづつ手が造形の手になっていきました。「手が疲れた~」という子や「描く方が簡単だな~」という子もいました。線で捉えるのとは違った、包み込むように、内側から生まれるようにカタチを捉えていく体験でした。
2週目の制作
2週目には水彩のにじみ絵で卵から鳥が生まれるところを描いたあと、土粘土で鳥の試作を造っていきました。粘土の扱いにも慣れてきました。水彩と同じように手に収まる量の粘土で卵形を造り、それを温めるようにゆっくりと力を加えながら鳥の頭や尻尾を造っていきます。大きな鳥、小さな小鳥、まあるい鳥、飛ぶのが速そうな鳥、様々な鳥が産まれました。その形を木材と同じ大きさの画用紙に真横から見て形を写して型をつくっていきました。
3週目の制作
3週目。子ども達の造った型を基に切り出したバルサ材をヤスリで成形していきます。角を取り、上下前後、さまざまな方向から見ながら理想の形に近付けていきます。教室にあった鳥の模型を上から見て「こうなってたのか~」と発見をした子もいます。鳥を削る前に端材を削ってみてヤスリがけの練習をしました。木や雲の形に見えてきて一緒に飾りたいと丁寧に仕上げている子もいます。この端材は色付けの練習にも使って一緒に持ち帰れたらと思っています。
〈アナログな制作が教えてくれるもの〉
デジタルで絵も造形デザインも制作可能になった昨今、これからもしかしたら絵の具も粘土も触ったことが無いデジタル作家が出てくるかもしれません。その事には可能性を感じながらも、やはり手を使って手を汚して実際に造って行くことを基礎としたいと思っている自分がいます。それは自分の手や身体の力を使って創ることで加減や限度を知ったり、こうしてみたらどうなるだろう。あれとこれを合わせたらどうなるだろう。という多角的に物事を捉えていく力は手や感触を通して育っていくものだと思えるからです。粘土の扱いに子ども達が慣れていったように、粘土がひび割れたり絵の具が滲んだり、実態のあるものには反応があります。物質と人との間にある想定外の反応が加減を教えてくれるのです。アナログな制作の中では失敗の痕跡も残っていくものです。それは心地の良いものばかりでは無いかも知れませんが、つるんと綺麗なものばかりでなくそういった失敗や試行錯誤の痕跡も含めて受け入れる事ができたらきっと柔軟に自分自身や他人を受け入れていく力も育っていくような気がしています。
10月の予定
月曜クラス 3・17・24
火曜クラス 4・18・25
水曜クラス 5・19・26
※2週目お休みになっています。
11月の予定
月(にじ,ふね)7・14・28
火(くも,うみ)8・15・29
水(なみ)9・16・30
※3週目お休み


